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ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2021-01-25 MAiL 不動産

物騒なイメージはもう古い。 住みやすい街に変化する小岩。

治安=悪、新築マンション=不調

「小岩」=治安の悪い街と認識している人は今でも少なくない。実際に「小岩」とGoogle検索をすると治安に関する記事のサイトが上位表示され、更には関連ワードにも治安に関する検索候補が出てくる。実際にこのイメージは数年前であればあてはまった。2011~2013年、江戸川区の犯罪発生件数は8,500件(2013年は23区ワースト1位の件数)を超えており、その中でも小岩周辺は江戸川区内の15%以上を締める1,300件以上の犯罪が発生していた(参考:①)。またこの犯罪発生件数に伴い、新築分譲マンションの売れ行きも芳しくなかった。来場は地元からが殆どであり、中には総戸数50戸未満ながら2年以上完売までに費やした物件もあったほどだ。中にはこの市場を逆手に取り、地元に広告を振り切った結果、地元購入割合100%で堅調な売れ行きを見せた物件もあったが、それほどまでに地元層のみが購入に至るケースが目立った。として前年から価格上昇、供給物件数は大きく変化なしという結果となりそうだ。

風向きが変化

しかし徐々に風向きが変化し始める。大きく影響したのは再開発だ。2015年頃「南小岩7丁目西地区」の再開発が完了。商業・住宅の一体開発となるタワーマンションが竣工した。ちなみに同マンションは2013年に販売を開始し、好調に進捗している。加えて、2014年の6月には「JR小岩駅周辺地区まちづくり基本計画2014」が策定され、同じく商業・住宅一体開発となるタワーマンションの竣工や駅前エリアの区画整理がなされていくことが発表された。これに伴い新築マンション市場も変化。2015年以降に発売された物件は2015年より前に発売した物件と比較すると、好調物件が増加しており、その代表例になるのが以下2つだ。

両物件とも駅前再開発の恩恵を大きく受ける場所に立地していたことが早期完売の要因の1つとなっている。また集客エリアについても、変化が見られた。2015年以前に販売をした新築マンションは地元購入割合が7割ほどを占めていたのに対し、2015年以降は半数程度。残りは隣接区や中広域に分散しており、地元外からの流入割合が増加した。これは再開発以外にも犯罪発生件数が減少していることも要因の1つと考えられる。実際に江戸川区全体・小岩周辺ともに犯罪発生件件数は年々減少しており、どちらも2019年は2011年の半数程度にとどまる結果となった(参考:①)。
その結果もあってか「本当に住みやすい街大賞2017」にてTOP10(9位)に入り、以降以下のように順位を着々とあげている。ちなみに、2017年から2021年の4回連続でTOP10入りを果たしているのは「小岩」のみだ(下表参照)。

再開発以外の小岩の魅力

特徴的なのはいずれも東京23区外である点だ。よって年明け以降も郊外物件需要が高まることが予定されている大規模物件から予想される。しかし忘れてはいけないのが東京オリンピックだ。延期になった東京オリンピックがようやく実施されれば再び都内の注目度は高まる可能性が高い。加えて、新型コロナウィルスの影響で発売を延期していた「HARUMI FLAG SUNVILLAGE・1089戸」もようやく供給を開始するだろう。そうなれば都心脱出の流れにもストップがかかる可能性もある。2021年は郊外物件需要が今の勢いのまま高まっていくのか、或いは都心物件が巻き返しの傾向を見せるのか、ここに重点を置いて注目していきたい。

近未来の小岩

以上のように、治安の悪い物騒なイメージを抱かれやすい「小岩」だが、約10年前と比較して犯罪発生件数数は減少し、再開発により生まれ変わりつつある。そしてこれらが大きな要因となり新築マンションも中広域流入の割合が増加。
「本当に住みやすい街大賞」でも4回連続のTOP10入りを果たしている。そんな小岩において今後直近で完了する予定の再開発は駅南側の「南小岩六丁目地区開発」だ。商業・住宅一体開発のプロジェクトであり、タワーマンションが2棟(2街区:214戸・3街区:320戸)と商業ビル1棟が建設予定となっている。更にその後は駅北口でもタワーマンションの開発が予定されており、順調に開発が進めば約5年後には完成する。その頃にはもしかすると「小岩」が江戸川区を代表するエリアとなっている可能性は十分にあり得る。今後の「小岩」は不動産業界において更に注目の的となるかもしれない。

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