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ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2021-02-25 MAiL 不動産

昨今、不動産情報を得る媒体は? どんな情報を欲する?

顧客はどこで情報を得る?

ではまずコロナ禍により変化した不動産情報の入手経路について見ていきたい。2020年の4~5月の緊急事態宣言発令時には可能な限り人との接触が避け、家時間が増加していた。
そのため「人の手が触れる紙媒体はやりづらい」「より時間ができてウェブ広告が見られるようになる」という声を耳にしたこともある。では実際はどうだろうか。2019年・2020年各年で行った意識調査(グラフ1)を見ていくと「インターネット広告」も「新聞折込チラシ」も2019年から割合が減少していることがわかる。具体的に「インターネット広告」は8.7pt減、「新聞折込チラシ」は2.8pt減となっている。加えて「不動産店へ直接行く」「不動産情報誌」の割合も共に減少と、情報入手経路のメインとなっている広告に変化はないが、割合が軒並み減少する結果となった。反対に増加したのは新聞広告(1.3pt増)、テレビ広告(0.6pt増)、その他(2.2pt増)の項目だ。その他については具体的な媒体の記載がないため推測ベースとなるが考えられるのはSNSや動画広告などだろう。

以上から2020年コロナ禍で増加した情報入手媒体はいずれも「不意に目にした広告」という共通ポイントが見えてくる。家時間が増加し、同時に余暇時間も増えたことでテレビや新聞をじっくり見る機会が増加。そしてその中で流れた、あるいは掲載されている広告に反応したのだと考えられる。

顧客はどんな情報を欲する?

続いては物件の情報についてだ。顧客は物件情報を入手する際、どんな情報を欲しがっているのか。そしてコロナ禍でどんな変化があったのだろうか。同様に2019年・2020年各年で行った意識調査(グラフ2)を見ていくとこちらも情報入手経路と同じ傾向が見えてくる。割合として最も高いのは「物件の写真」、次いで「周辺物件の相場」と2019年・2020年で高い割合であることには変わりはない。しかしそれぞれ9pt(物件の写真)、2.9pt(周辺物件の相場)減少する結果となっている。またその他周辺の居住する属性や環境などエリアに関する情報も軒並み2019年から2020年で減少している。一方で増加しているのは「VRなど物件をリアルの体感できるサービス」「宅建業者(不動産会社)のプロフィールなど」「引っ越しのノウハウ」「その他」の4項目。

また2020年から追加した項目「物件紹介の動画」も3番目に高い割合となった。すなわち2019年から「物件の良いイメージを持ってもらうための情報」よりも「リアルに近い情報」「顧客を安心させるような情報」をより欲しているとうかがえる。これは2020年コロナ禍となり物件購入を検討する人にとって実際に足を運びづらい環境となったことが原因だろう。実際に現地やMRには生きづらいため、リアルな情報を掴みづらく、「引っ越し」に対する不安も増加したためと考えられる。

流れの変化についてのまとめ

以上2つアンケート結果より顧客視点における不動産広告の変化をまとめると、「接触は不意に、そしてリアルさと安心を感じ取れる情報が重要になった」ということだ。第一に不動産情報は不意に見た広告が効果的ということ。昨今は家時間が増加したことで同時に余暇時間も増加。だからこそこの余暇時間に人が費やすものにうまく入り込んだ広告が2019年から伸びたと考えられる。そして第二に顧客がリアルさと安心を感じ取れる情報の重要度が高くなったこと。コロナ禍で現地やMRに足を運びにくくなったため、HPなどの情報だけでも安心して購入を検討できる情報に反応を示すようになった。

この流れは一時的なもの?

ではこの流れは一時的なものだろうか。情報入手経路も欲しいと感じる情報も少なからず2020年で生じた変化はコロナの影響は受けている。だからこそコロナが収束したあとは2019年のように戻っていくとも考えられる。これについてまず情報入手経路から考えていくとコロナが収束した後、すぐに家時間がビフォーコロナと同程度に減少するとは考えづらい。そのため、テレビ広告や新聞広告の割合は同程度に推移するか徐々に元の割合に戻っていくと考えられる。また求める情報についてはコロナ禍で、わざわざ現地やMRに行かずとも得られる情報の幅が広がった。これは事業主にとっても顧客にとっても大きなメリットとなったため、割合は徐々に伸びていくと考えるのが妥当だろう。今後はこのコロナ禍で生じた変化をどう将来につなげていけるのかに注目していきたい。

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