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ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2021-07-28 MAiL 不動産

オンライン商談の影響はいかに!?顧客獲得へのアプローチを探る

不動産業界でのオンライン化とは

現在、様々な業界でオンライン化が進められている。リモートワークをはじめ、社内ミーティングや顧客との打ち合わせもオンラインで行われることが増えた。これは不動産業界も同様であり、マンションや戸建てを購入検討する際に導入され始めている話は周知の事実だろう。オンライン商談の種類は大きく2つ。1つは通常の1対1のオンライン商談会・相談会。オンライン商談会・相談会は概ね似た内容で、購入を検討しているお客様が自宅にいながら担当者と購入について話を進めることが出来る。加えてMR見学もオンラインで可能にしている物件もある。これは、スマートフォンやPC等のデバイスを介してMR内を担当者がリアルタイムで移動しながら配信することで実際にMRに足を運ばなくとも見学することが出来る。2つ目はウェビナー。ウェビナーとは、ウェブ上でのセミナーのことで、担当者から物件紹介やコンセプト等の説明を受けることが出来る。オンライン商談会・相談会との大きな違いは、物件についての概要を販売担当者が複数人の顧客に対して行うことや、配信方法についてはZOOMを介してだけではなく、収録した動画をHP上に張り付けるといった物件も存在する。

オンライン商談における変化

では実際にオンラインを活用し、販売が好調に進捗した事例はどんな物件だろうか。以下がその事例だ。

■ヴィークスコート代々木参宮橋
(2020年11月発売・「初台」駅徒歩6分・平均坪単価@459.2万円)

■ザ・パークハウス オイコス 赤羽志茂
(2018年1月発売・「志茂」駅徒歩4分・平均坪単価@232.7万円)

1つ目に「ヴィークスコート代々木参宮橋」はウェビナーとオンライン商談を組み合わせてお客様へのアプローチを行った。結果としては、僅か4ヵ月で全57戸が完売に至り、月平均成約数14.3戸で進捗している。広告効果を先行事例と比較していくと主にスーモやチラシが有効な広告媒体であったのだが、本件ではHPをはじめとしたインターネット関連が効果的であった。また、来場者の居住地割合は先行事例より30~40%程度中広域に分散している。2つ目に全500戸の大規模マンションである「ザ・パークハウスオイコス 赤羽志茂」は現在も販売中物件だが、第一期時点で来場者居住地を見ていくと先行事例と変化している。先行事例は主に最寄りとなる「志茂」駅(北区)での足元集客が4~6割程度となることが多かったが、今回はおよそ3~4割となり、他は中広域に分散するという傾向がみられている。この2例から見てもオンラインを活用することによって集客できる範囲が広がっていることがわかる。

オンライン商談の位置づけ

では実際に変化が生まれた「ヴィークスコート代々木参宮橋」と「ザ・パークハウス オイコス 赤羽志茂」はどのようにオンライン商談を活用していたのだろうか。
「ヴィークスコート代々木参宮橋」では、ウェビナーとオンライン相談会の2つを活用してお客様へのアプローチを行った。ウェビナーは30分程度で、参加した顧客に物件概要と訴求したいポイントを絞った説明をし、その後オンライン個別相談会で物件概要・購入についての不明点や購入に向けた相談が行われた。次にウェビナーとオンライン個別相談会に参加した顧客に対して建物内モデルルーム案内会が開催された。「ザ・パークハウス オイコス 赤羽志茂」では、他社のHPと比較するとオンライン相談会や、物件概要の動画・360°MR見学など“オンライン”に充実した構成となっている。もちろん、来場予約など対面見学の申し込みが出来るフォームも備えられており、オンラインと対面どちらも選択できるようになっている。

2つの事例から見るとオンライン商談が導入され始めた当初は対面商談の代替案でしかなかったが、上手く活用している事業主は対面商談を今後実施する前提で、前段階のフェーズとして実施しているケースが目立つ。よって、従来では顕在層へのアプローチ方法として利用されていたが、現在上手く活用している事業主は物件エントリーから来場までの間、以前ではDM送付やメルマガ送付が担っていた役割の代替案として活用する、そんな準顕在層の離脱防止や顕在層への引き上げとしての役割を担っている。実際にユーザーの声として、物件を気になっている段階でMR見学に足を運ぶよりもオンライン商談会参加のハードルの方が低いという声やHPを閲覧しただけよりもきちんと説明してもらえることでさらに物件に対して理解が深まったといったという声が見られた。また、導入した企業側としても、事前に伝えたいポイントを絞ってオンライン商談会を開催することで直接来場時初回の物件説明が省略され、検討スピードが早まり潜在する購入可能性の高いユーザーにアプローチできたという声が上がった。【参考①】

各社の動きと今後の展望

実際に上手くオンライン商談を活用している事業主はさらなるオンライン化の動きを見せている。野村不動産では2020年8月に契約に関わる全ての手続きを電子化・非対面対応化し、2021年4月にはマンション購入についての不明点を聞くことが出来るプラウドオンラインサロンを開設した。三菱地所レジデンス・東急リバブルでは2020年5月に全事業エリアでオンライン接客を導入。また、住友不動産では2020年7月にオンライン接客に限定した販売センターを開設し、2021年1月に通信機器の宅配、使い方をサポートするサービスを開始した。しかし、ユーザーとしては一貫してオンライン利用で成約まで進めたいといった層はかなり少なく、どちらかといえば物件への初期導入や、何度も行われる個別商談においてオンラインと対面をフレキシブルに選べるような状況が好ましいという声もあがっている。よって、今後は商談の初期フェーズはオンライン、中期~最終フェーズは対面とオンラインを両方活用していくことが考えられそうだ。

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この記事を書いた人

マーケッター

中島理絵

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