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ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2021-12-24 MAiL 不動産

賑わいの増す柏駅。売れ行きの変化とこれからの計画とは?

賑わう街の物件の売れ行き

「柏」駅は東口にマルイやSKY PLAZA、イトーヨーカドー、ファミリ柏等のショッピングモールが点在、西口には高島屋や商店街が立ち並ぶだけではなく夏には手賀沼花火大会があり、遠方からも人が集まる街である。
「住む」という目線で見ても既述の生活利便性が高い他、交通利便性ではJR常磐線(快速・緩行)と東武野田線の2路線が通っている。さらには2015年3月から上野東京ラインの運航が開始されたことで都心へとダイレクトアクセスが可能となった。一見、「住みやすい街」というように見える「柏」駅だが、過去の売れ行きを見ると完売までに時間を要する傾向がある。
供総販戸数に差はあるものの、50~150戸程度で完売までに1.5~2年程度、250~300戸程度で3~4年程度かかり、2019年5月販売のヴェレーナ柏を除いて、進捗が鈍りやすい市場であった(表①)。
しかし、2020年以降の市場に変化が見られた。

2020~現在販売中分譲マンション

「パークホームズ柏タワーレジデンス」は全191戸が8か月で完売(表②)。ほぼ同時期に販売された「ルピアグランデ柏」は現在も販売中ではあるものの残8戸(12/17時点)となり、10.4戸/月ペースで進捗。また「プラウド柏ガーデン」は14戸/月、「プレミスト柏八千代」は、8.6戸/月ペースで進捗している。現在販売中物件をみても、売れ行きが進捗しやすくなっていることがわかる。
ではなぜ、進捗度合いに変化が見られたのか。真っ先に考えられるのは2020年=コロナウイルスが蔓延し、マンション市場では郊外需要が高まる傾向があったが、果たしてその影響なのだろうか。
2019年までの集客割合を見ていくと、概ね、柏市が50~60%、その他松戸市や我孫子市、流山市等の千葉県に分散しているケースが見られた。一方、2020年以降で見ると「プレミスト柏八千代」では全体の20%が23区内となり、同様「ルピアグランデ柏」でも柏市が30%程度、25%が東京都からの集客。近年の売れ行きの好転、及び都内流入数を見ると、やはりコロナの影響があると予想される。

なぜ「柏」駅?

郊外需要があるとはいえ、なぜ「柏」駅が選ばれるのだろうか。それは、交通利便性だけではなく生活利便性の高さが大きい要因の一つだ。2021年のLIFULL HOME‘sでは買って住みたい街ランキング6位に「柏」駅がランクインしており、駅前に整備されたデッキ、周辺の商業施設の多さだけではなく手賀沼を中心とした湿地帯や、柏ふるさと公園等の施設も身近に揃うのだ。さらに柏市では6年連続待機児童数が0人で、子育て世帯から見れば最適な育児環境である。
また、価格も要因の一つといえる。「柏」駅は相場が3,500~4,000万円程度。主要駅である東京駅と同距離程度の他駅と比較すると「大宮」駅は相場4,500~5,000万円、「国分寺」駅は相場5,500~6,000万円程度、「戸塚」駅は相場4,500~5,000万円。「柏」駅が頭一つ抜けて割安で、中広域の顧客から選ばれる理由も頷ける。

柏駅が抱える問題とこれからの展望

郊外需要によって売れ行きが進捗しやすくなった「柏」駅だが、再開発事業における“問題”が残っていることも事実である。2016年9月、「柏」駅前のそごう(百貨店)が閉店した。その後、三井不動産が個人地権者から跡地を買い取ったが、その跡地の利活用の目途はいまだに立っていない。また、駅逆口の「柏駅西口北地区市街地再開発」では準備組合の一員であった高島屋柏店が2021年4月に組合を離脱。街の活性化を目的とした再開発事業で、計画が滞っている実態が見える。
しかし、マンション市場で見れば「柏」駅最寄り物件の売れ行きは進捗しやすくなっている。住みたい街ランキングに登場するほどになっており、2021年1月には住友不動産の「シティテラス柏(全174戸)」の供給が控えている。

さらには、「柏駅西口北市街地再開発」では40階前後のタワーマンション3棟、商業施設、病院等が入る構想となっている。再開発組合から高島屋が脱退した問題はあるものの期待値は大きく、「柏」駅が更なる賑わいを見せることになるのではないだろうか。
西口再開発に加えて現在は “問題”として挙がってきている旧そごう跡地の利活用も、今後の取り組み・実現によって、「柏」駅の活性化が進みさらに価値が上がっていくように考えられる。アフターコロナも都心からの流入を含めた需要の増加は続くかもしれない。

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マーケッター

中島理絵

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