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2022-02-27 MAiL 不動産

未だ、ホテル街の印象あり? 鶯谷エリアの価値とは?

「鶯谷」駅といえば山手線駅から見える
ホテル街の印象がある人も少なくはないだろう。
一方で実際の交通利便性や生活利便性・資産性はどのように評価されているのか。
データから鶯谷エリアの魅力を紐解いていく。

鶯谷のイメージ

都心部のみならず郊外でも再開発が活発に進んでいる中で、
依然として再開発以前の面影を残す「鶯谷」駅は、
「日暮里」駅と「上野」駅に挟まれ山手線沿線で最も乗車人員が少ない駅である。
また、山手線だけでなく、京浜東北線沿線駅ということも知られており、2路線が通る駅だ。
駅名のイメージからすれば、ホテル街や一部歓楽街があるイメージを持つ人が多いだろう。
実際、駅南口には寛永寺がたたずみ、周辺に住戸はあまり見られない。
北口は目の前にホテル街、抜けていくと飲食店などが見られ、
鶯谷に地縁がない人が持つイメージとさほど離れている様子もない。
マンション市場でみても「鶯谷」駅周辺で供給されたマンション名で “鶯谷”という文字はなく
“日暮里”や“上野”、“根岸”というネーミングで
「鶯谷」駅に対する後ろ向きなイメージは拭い去れない。
それでは鶯谷エリアはマンション市場から見ても武器にならないのだろうか。

鶯谷の価値

2021年末にダイヤモンド不動産研究所が出した「台東区で住むべき駅・街ランキング」内の
中古マンション価格騰落率の第1位は「鶯谷」駅で9%上昇となった(参考①)。
都心主要路線である山手線と京浜東北線の駅であることが大きい。
隣接する「上野」駅は「鶯谷」駅以上に交通利便性が高いが、第2位の5%上昇となった。
さらに、台東区駅別中古マンション総合利回りランキングでも
「鶯谷」駅が第1位の6.8%と首位(参考②)。
山手線沿線駅で見ても第4位となり、上位に位置した(参考③)。(沿線内での複数駅同率の場合は分別しない)。
これは、資産価値としても人気が高く、値崩れしにくいエリアと見ていいだろう。

次に国土交通省が出している大都市交通センサスをみると、
山手線と京浜東北線の合計初乗り数で「日暮里」駅、「鶯谷」駅、「上野」駅を比べると、
「鶯谷」駅を利用している人数が多い。
また「鶯谷」駅を使う人たちは足元である上野桜木、根岸、谷中アドレス等で、
足元や周辺に住む人たちは「鶯谷」駅を利用していることが分かった。
これは「日暮里」駅や「上野」駅が乗り換え駅としての利用者が多く、
「鶯谷」駅では初乗りとしての利用者が多いということになる。

エリア目線では、駅前にホテル街があるイメージが強いが、実際は地域活性を図って
ビジネス客向け・観光客向けのホテルが開業されていることもあり、
昔ながらの面影を残しながら、ニューノーマルな一面もある。また、実際歩いてみると分かるが
ホテル街があるのはごく一部にすぎず、周辺には寺院等の文化的スポットも散見される。
“資産”という目でみると中古マンションの高騰率・中古マンション総合利回りの評価から、
「鶯谷」駅はそもそも根強い評価があるといっても過言ではない。 
“住む”という目線で見ても駅周辺に飲食店やドラッグストアが揃い、
国立博物館や上野恩賜公園にも徒歩圏内で行ける。
さらに隣接駅も徒歩圏内ということもあり、生活利便性が高いエリアなのである。

どうアピールするのか

上記のような魅力を考えると実際の居住者にとっては「鶯谷」駅に住んでいるという印象ではなく「日暮里」や「上野」に住んでいるという気持ちはありながらも、
実のところで「鶯谷」駅とその周辺利便の恩恵を大きく受けているように思える。
2021年に供給されたルフォン上野公園ザ・レジデンス(鶯谷徒歩3分)は
全89戸を11か月で完売し、8.1戸/月ペースで進捗した。
これは、「上野」物件というポジショニングが大きく影響していると思われるが、購入者にとっては最寄り駅である鶯谷とその周辺利便も魅力の1つになっていたのかもしれない。それでは、このエリアで不動産を売り出す・貸し出す場合にはどのように伝えるべきなのであろうか。

実際、鶯谷エリア自体のイメージは払拭しずらいことは確かである。
ホテル街が一変する可能性は低い。しかし、実際のところ地域活性化の動きも見られる。
さらに既述の通り資産性が高く、エリアとしての魅力も十分ある。
そして、住みやすさを知っている周辺の住民も「鶯谷」駅を
交通利便性の高い駅として認識し、使いこなしているのだ。
今後マンションを販売する、或いは賃貸募集をする際は、入り口はあくまで「日暮里」や「上野」としながらも、その上で鶯谷のエリアとしての魅力や資産性・交通利便性を丁寧に伝えていくことで、武器にしていくことは十分にできるのではないだろうか。
今後、マンション業界でも環境保全の“傾向”ではなく環境保全が “標準化”する流れになっていくのではないだろうか。

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この記事を書いた人

マーケッター

中島理絵

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