心地よく住みやすい街。

小田急線で人気の街「相模大野」。良好な子育て環境と期待できる将来性を探ってみました。

Search a Townコロナ禍でも転入あり、「相模原市南区」の人気を探る!

コロナ禍でも転入超過をキープ
コロナ禍でも転入超過をキープ

コロナ禍の昨今、住宅需要は郊外に向いているというニュースをよく目にする。
テレワークを導入する企業が増加し、都心近くに居住する必要性が薄まったためだ。
しかし、実際のデータを見ていくとその結果は二極化している。

表1:横浜市・千葉市・さいたま市各区における2019・2020年の社会増減差
区町村 社会増減 2020-2019
2019年 2020年
横浜市 鶴見区 1,856 469 -1,387
神奈川区 2,011 982 -1,029
西区 1,610 236 -1,374
中区 1,408 1,895 487
南区 1,152 873 -279
港南区 712 699 -13
保土ケ谷区 1,147 881 -266
旭区 559 350 -209
磯子区 274 512 238
金沢区 -251 -10 241
港北区 1,468 2,046 578
緑区 1,076 772 -304
青葉区 632 1,411 779
都筑区 800 484 -316
戸塚区 1,753 1,005 -748
栄区 65 257 192
泉区 1 478 477
瀬谷区 -88 141 229
区町村 社会増減 2020-2019
2019年 2020年
千葉市 中央区 1554 1915 361
花見川区 873 744 -129
稲毛区 205 804 599
若葉区 860 333 -527
緑区 671 474 -197
美浜区 1236 1192 -44
さいたま市 西区 1964 1434 -530
北区 1253 920 -333
大宮区 1128 2195 1067
見沼区 1142 1190 48
中央区 758 425 -333
桜区 336 179 -157
浦和区 1805 1355 -450
南区 1609 342 -1267
緑区 1921 2090 169
岩槻区 1107 744 -363

表1は東京を囲む3県の中で代表的な市内における、社会増減(転出入の差)を2019年・2020年で出し、それぞれの年の値を比較したものだ。この表から2020年に転入超過を記録するも、その値が2019年よりも減少したエリアが数多く見られる。しかし横浜市港北区や青葉区など需要の増加が見られているエリアがあるのも事実だ。そんな需要増加が一概に言えるわけではない郊外エリアの中で、良好な傾向を見せている地域の1つが相模原市だ。

表2:相模原市各区における2019・2020年の社会増減差
区町村 社会増減 2020-2019
2019年 2020年
相模原市 緑区 -458 -217 241
中央区 875 1147 272
南区 1334 1387 53
全体 1751 2317 566

表2からもわかるように、相模原市も2019年から2020年にかけて市全体として社会増減の値が増加。中でもこの傾向を牽引いているのは相模原市南区だ。同区は社会増減の値が他2区と比較すると大きく、2020年もその値が減少することはなかった。 では一体どのような要因がこの結果を生んでいるのだろうか。相模原市、中でも南区における人気の要因は大きく以下3つが考えられる。

  • ・アクセスと価格のバランス
  • ・良好な子育て環境
  • ・期待できる将来性

これらについて、より詳細に紐解いていきたい。

01アクセスと価格のバランス

 1つ目はアクセスと価格のバランスだ。相模原市南区の中でも代表的な駅は「相模大野」駅が該当する。特急が停車する同駅は南区内の駅でも乗降者数トップクラスを誇り、「新宿」まで直通35分でアクセスが可能だ。実際に「新宿」から同等の時間でアクセス可能なエリアだと、他には「横浜」「大宮」「立川」などがあがる。そこでこれら3駅の位置する行政区と本エリアの新築マンション相場を比較すると、相模原市南区は最大で30%以上の坪単価差があることがわかる(表3)。よって、都心アクセスが良好ながら、同距離にあるエリアよりも相場が比較的安いことが魅力の1つとなっている。

 また「相模大野」から「新宿」に向かう際に利用する小田急線は2018年に「複々線事業」が完了。線路を新たに造成したことにより、「混雑緩和」「所要時間の短縮」といった輸送環境がより快適なものへと進化を遂げている点も魅力だ。

表3 各行政区における2015年以降発売の
   新築マンション 平均坪単価
行政区 平均坪単価
横浜市西区 @342.0万円
さいたま市大宮市 @245.1万円
立川市 @220.8万円
相模原市南区 @210.9万円

(参考:運営会社調べ)

02良好な子育て環境

 2つ目の要因として子育て環境があがる。相模原市南区は「相模女子大学」「北里大学」「女子美術大学」「東海大学付属相模高等学校・中等部」など大学・私立高校が集まっている。また同じ相模原市内や周辺駅にも有名な大学が集積。県内でも有数の文教エリアとなっているのが特徴だ。中でも「相模女子大学」では子育てに悩む保護者のために子育て支援センターを2010年に開設。親子で参加できるイベントや相談事業を運営し、地域の子育て支援活動を継続的に実施している。

 元々相模原市自体にも年齢や子どもの数に応じて児童手当を月額10,000~15,000円支給、中学校3年生までの調剤・入院費を全額助成(児童手当・医療費助成ともに所得等の制限有り)するなど子育て支援サービスが整っている。それらに加えて地域の施設と一体となって支援を行っている点はファミリー世帯が当エリアに居住する理由の1つにあがるだろう。

 さらにそれだけではない。相模原市南区内には「県立相模原公園」「相模原麻溝公園」、隣接区まで足を伸ばせば「淵野辺公園」「横山公園」といった大型の公園が点在。休日のレジャースポットとして伸び伸びと子どもを遊ばせることができる点も魅力の1つといえる。

03期待できる将来性

 3つ目は将来性だ。これについては少々エリアが限定的であるものの、魅力の1つに変わりはない。2021年最新の住宅地公示地価を神奈川県全体と相模原市南区の平均で比較すると表4のようになる。神奈川県全体では2019年から下落しているものの、相模原市南区では高騰。特に前年から高騰した地点を見ていくと、相模大野・上鶴間本町といったアドレスが目立つ(表5)。実際にこれらのアドレスが該当する「相模大野」駅周辺では約180店舗が誘致されている大型商業施設「ボーノ相模大野」や「大野銀座商店街」「女子大通り商店街」など生活利便施設が集積。さらに2019年に閉店した伊勢丹相模原店の跡地には商業・地域貢献施設などが建設予定。周辺の更なる進化に期待がかかっている。

表4:住宅地平均公示地価比較(参考:国土交通省)
住宅地平均
公示地価
2019年 2020年 平均価格
変動率
神奈川県全体 191,051 190,646 -0.2%
相模原市南区 191,746 192,203 0.2%
表5:相模原市南区内の住宅地公示地価における前年変動率TOP10
所 在 前年変動率
相模原市南区相模大野2-14-2 2.7%
相模原市南区上鶴間本町2-36-31 1.9%
相模原市南区上鶴間本町4-18-10 1.8%
相模原市南区相模大野5-21-26 1.5%
相模原市南区相模大野9-21-6 0.7%
相模原市南区古淵5-21-26 0.5%
相模原市南区古淵1-24-7 0.5%
相模原市南区鵜野森2-3-8 0.5%
相模原市南区相模台2-17-8 0.5%
相模原市南区南台4-7-12 0.5%
ボーノ相模大野
ボーノ相模大野
相模大野ステーションスクエア
相模大野ステーションスクエア

\ POINT /

上記3つの要因が相模原市、中でも南区が転入超過をキープしている大きな要因だろう。コロナ禍が続く現在、都心脱出の声は未だに後を絶たないため今後もこの勢いが加速する可能性は大いに考えられる。将来的に神奈川県内の人気エリアとして名をはせていくのか。今後の動向にもより一層注目していきたい。

Text by Oyama (staff of UNIFIT)