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2024.09.25 MAiL不動産

「八王子」駅 新築マンション、 今後の需要は!?

「八王子」駅 新築マンション、 今後の需要は!?

2014年〜2015年のマンション竣工ラッシュによって期待感が上昇していた郊外代表の「八王子」駅。しかし現在、「八王子」駅の新築分譲マンション市場に向かい風が吹いている。その要因と今後の展望を紐解いていく。

低迷する八王子駅周辺

東京都の郊外駅として代表的である「八王子」駅周辺では多くの新築分譲マンションが販売されてきたが2014年-2017年で人気のピークを迎え、現在は不調に陥っている。その証拠に「八王子」駅周辺の新築分譲マンションの初月申込率の推移を見ていくと、2014年-2018年までは平均76.5%だったが、2019年-2023年までは平均60.58%と10pt以上下落している。(グラフ①参照)

同様に月平均成約戸数を見ていくと2014年に17.39戸であったが2023年は2.72戸まで下落している。(※各年に販売された新築分譲マンションの総戸数を販売期間で割った平均値) 2014年-2018年の好調と言える5年間から、現在では約半数まで落ちてしまった「八王子」駅周辺のマンションの人気について理由を探っていく。

まず1つ目の理由だが、価格の上昇である。2014年-2023年での坪単価を見ていくと、2014年からは150万円以上、2017年からは100万円以上高騰している。同様に平均価格を見ていくと、2014年より約1,000万円以上値上がりしている。(グラフ③参照)

マンション価格が値上がりしているのは首都圏どのエリアも同様だが八王子駅は本格的に価格高騰による新築マンション需要が枯渇しつつあると考えらえる。その証拠に中古マンションなどの選択肢も検討する層が増えてきている。実際に「八王子」駅の中古マンション市況はここ数年で大きく変化しており、2014年と比較すると中古マンションの取引事例は倍近くまで増加している。(グラフ④参照) 新築マンションの高騰により中古マンションの価格も高騰はしているものの、面積や価格を比較すると中古マンションのほうが当然価格は安く、需要が流れていることが見て取れる。

2つ目の理由だが、商圏の狭さである。「八王子」というエリアは都心から距離があるというイメージが強いのか昨今の新築マンションを見ても市内からの来場がほとんどだ。実際、2022年発売の「エクセレントシティ八王子クラウズ」では「八王子」駅徒歩15分超という立地条件もあり八王子市内が80%程度、他のエリアは日野市から9%とほとんどが地元からの集客である。また、2023年から販売されていた「エクセレントシティ八王子」、「クリオレジダンス八王子」では60~70%以上が八王子市内からの来場となっており、23区内からの来場は10%程度と低めである。コロナ禍に突入して以降郊外需要が高まり、職住近接志向が低下することがトレンドになったが、それでも八王子は地元購入者が中心となっている。よって、現在の「八王子」駅周辺の新築マンション市況は価格高騰によって購入層が限られている中で市外からの流入も少ないために人気が低迷しているのだとわかる。

どうなる八王子?

そんな人気が低迷しつつある八王子だが今後はどのように変化していくのだろうか。現在、八王子駅周辺の新築マンションは計5つの物件が販売中である。中には前述の理由などにより販売開始から1年近くが経過しても完売に至らず、好調とは言えない物件が見られる。

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久野 晶平

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ビジネスマネジメント

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