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ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2021-03-26 MAiL 特集記事

不動産業界における新たな情報提供媒体

アプリの利点

昨今、不動産業界においても事業主側がアプリを活用する事例は多くなっている。特に最近は新型コロナウィルスの影響もあり、気軽にモデルルームに足を運びづらい現状だ。そのためユーザー側はこれまで以上にウェブから情報を収集し、慎重に検討した後にモデルルームに行くケースも見られるようになった。しかしむやみにHP内の情報を拡充しすぎても階層が多くなり、ユーザビリティが低下してしまう。そこでアプリは情報を小出しにしながらも見やすく整理されており、ユーザビリティの高さを保ち続けることが可能な媒体の1つだ。またそれ以外も以下のような利点がある。

1.プッシュ通知により顧客の離脱防止
2.ブランドで囲い込みを行い、希望物件以外の案内も可能
3.紙媒体の代替物に成りうる

1つ目にプッシュ通知を行うことで顧客に何度もアプローチができる点だ。実際に物件HPにアクセスし、すぐに離脱してそのまま顧客が離れていってしまうケースも少なくない。このデメリットをアプリであればプッシュ通知をすることで回避できる。2つ目にユーザーが求める物件以外も案内が可能な点だ。これはブランドでアプリ運営をしている場合に限るものの希望の物件以外にもユーザーによって、より最適な物件案内ができれば自社物件同士の相乗効果を見込める。3つ目に紙媒体の代替になる点だ。最近は資料請求者に送付するDMなどの代わりにパスワードを発行し、アプリ内の限定コンテンツとしてより深い情報を出していくケースもある。アプリには以上のような利点があり、昨今導入する売主も増している。

アプリ事例

ではそんな売主が提供しているアプリの中でも他売主と違いが見られる事例はあるのだろうか。一般的にマンションデベロッパーでよく見られるものは図1のようなものだ。トップ画面に自分のチェックしたい物件情報が並んでおり、メニューからは間取りやパンフレットなどの情報が閲覧できる形式のものとなっている。しかしそれ以外でも同様の不動産業界で見ていくと戸建てを中心に展開する図2の2社のアプリは他の売主とは違う特徴を備えている。
■ポラスグループ
1つ目は埼玉県を中心に戸建てを展開するポラスグループだ。ポラスグループが提供するアプリは完全に自社のポータルサイトとなっているのが特徴的であり、販売中の戸建てをエリアやマップから探すことができる仕様となっている。同社は既述した通り埼玉エリアでの供給が多く、エリアに住む人からもブランド認知力や評価の高い事業主のため「ポラスの家に住みたい」という層に向けて最適なアプリといえる。昨今デベロッパーが提供するアプリとは違い、より潜在層に近い層をターゲットとしているのがポラスグループのアプリの特徴となっている。

■タマホーム
2つ目は「ハッピーライフ、ハッピーホーム」でお馴染みのタマホームだ。タマホームが展開するアプリの特徴はダウンロード後に開くと「オーナー」と「検討者」で分かれており、顧客の層によって提供するサービスが同アプリ内で異なる点だ。まず、検討者にはポラスグループ同様にポータルサイトの形式になっており、エリア選定からモデルハウスや住宅展示場を探すことが可能だ。次にオーナーには購入後のアフターサービスを展開している。住まいの点検表やリフォーム相談のフォームが用意されており、住まいに関するやりとりが同アプリ内から行えることが特徴だ。すなわち検討の段階から購入後のアフターサービスまで1つのアプリで完結することができる。

今後の課題

展開されている。ではその一方で今後事業主が展開するアプリにおける課題はどのようなものがあるのだろうか。考えられるのは以下2つだ。


1つ目はHPとの仕分けだ。最近はアプリとHP両方で情報提供をするのが一般化されているが、同じ情報を同じように出しただけでは相乗効果も生まれにくい。顧客の層によって媒体の位置づけを分けるなどが今後の課題の1つとしてあがる。
2つ目はアプリ事態の差別化だ。現在は検討層に情報提供する媒体として活用する事例が多い。そんな中でタマホームのように、単なる情報提供以外でもアプリ内でできることを増やし、アプリ事態の価値を高めていけるかも今後重要になるだろう。以上のような課題を各社どのようにクリアしていくのか。各事業主の動きに注目していきたい。

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マーケッター

大山恭平

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