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2020-03-01 MAiL 特集記事

部屋すら要らない!1LDKに2人暮らしの可能性を考察

2人で1部屋でも十分?1LDKで2人暮らしはありなのか…

昨今、狭小物件が増加し続け、「価格が抑えられる」「必要最低限のものだけあればよい」といった合理的な層に人気だ。
そこで本記事ではそんな合理的な選択として、1LDKに2人暮らしはありなのか、
近年の傾向も検証しながら考察していく。

1LDKで2人暮らし

居住人数分の間数は絶対に必要。多くの人が持っている固定観念であるがそんな当たり前がなくなる可能性はあるのだろうか。近年、新築マンションでも1LDK・35㎡未満や2LDKで40㎡台の物件が発売され、ミニマリストなどの合理的な暮らしを求める層に人気だ。そんな合理的な物件選びに関して、1LDKに2人で暮らすという選択もありではないだろうか。実際に検証していくに当たりまずは現在の需要から探っていきたい。人気度の推移を表すグーグルトレンド(下記①の折れ線グラフ)において「1LDK 2人暮らし」というワードは過去10年間でアップダウンを繰り返しながらも近年は微増の傾向にある。

次に具体的な事例として近年全戸1LDKで発売した新築マンションを2つ見ていきたい。

まず2017年10月に発売した「シティインデックス千代田秋葉原」は10%(第1期)ほど、2018年10月に発売した「クレアホームズ川崎ザフロント」は20%(第1期1次~3次購入者対称)ほど購入者に2人世帯が見られた。特に後者は最大面積のプランが36.04㎡と1LDK住戸の中でも特にコンパクトであったにも関わらず購入が見られたのは驚きだ。これらの事実から決して人気とは言えずとも一定数の需要は現在においても既にありそうだ。

実際の暮らし方

では1LDKの2人暮らしは実際どのようにして暮らしていくのだろうか。「CHINTAI情報局」(2019.06)の記事を参考にしながら紹介していきたい。まず寝室についてだが考え方は2種類ある。まずは1部屋を共同の寝室にするパターンである。クイーンベッド1台、もしくは就寝時間がパートナーと違うようであれば、シングルベッド2台を並べて設置するなどして使用できる。2つ目にソファベッドを購入し、2人のうちどちらかがリビングで寝るパターンだ。こちらは部屋を不必要とし寝る場所だけ確保できれば良いという人や寝る部屋だけは分けたいという2人世帯におすすめだ。続いて収納面に関してだがこちらは壁面をうまく活用するのが良さそうだ。1LDKとなれば当然収納スペースも小さく、新たな収納スペースを設けるのも難しい場合が多い。そこで壁面にフックなどを取り付け、よく使うバッグや翌日着る洋服は掛けておくことでカバーできる。

また注意点として狭い分、このような寝室や収納について慎重に準備しなければいけないことは事実だ。2人用にクイーンベッドを購入しても置けるほどスペースがない、壁面を利用しようとしてもそもそも利用できる場所がないようでは元も子もない。部屋の広さを熟知し、インテリアについて準備万端で契約することが望ましい。

1LDK・2人暮らしのメリット

ではここまで工夫しながらも、2人暮らしで1LDKに住むメリットはあるのだろうか。考えられるメリットを3つ紹介したい。

1つ目は言わずもがな購入価格が抑えられることにある。実際に計算してみると2019年に都内で供給された新築マンションのうち2LDK住戸の平均価格は7,325万円、一方で1LDKは4,798万円と面積が小さい分34.5%も購入価格を抑えられる。(サマリネット調べ)これにより予算に余裕がなくても既述したような「シティインデックス千代田秋葉原」や「クレアホームズ川崎ザフロント」のように駅力の高い最寄り駅まで5分という好立地に住むことが可能となる。2つ目に資産にしやすいことだ。仮に購入した物件を今後転勤などで引っ越すことになり賃貸に回すとする。そうなった際に需要が高いのは賃貸であれば2LDKよりも1LDKだろう。近年、老後2,000万円問題などが話題になっている中で将来性を考慮すると1LDKの方が賢い選択と言えるかもしれない。3つ目は管理のしやすさだ。2LDKなど部屋が広いとモノも多くなり、比例して掃除や片付けに要する時間も多くなる。しかし1LDKの場合、部屋がコンパクトで置ける家具も限られるため手間は少なくなる。以上3つのようなメリットを1LDKに2人暮らしをしている人々は感じているだろう。

今後の可能性

では今後、1LDKで2人暮らしを選択する人々は増加していくのだろうか。近年、増加している狭小物件を好むミニマリストの志向からは必要最低限のものだけで良いと考える人が多いのは確かだ。そしてこの必要最低限のものという枠もどんどん小さくなることが予想できる。サブスクリプション方式のサービスは増加し続け、最近ではアパレルや飲食業界も導入し始めた。そこで近くのレストランを自宅のダイニングのように、近くの銭湯を自宅のお風呂のように、近くの洋服店を自宅の収納スペースのように利用する人が現れるだろう。こうなれば自宅の用途はより限定的になり、間数を必要としない世帯が増加していく可能性は十分に考えられる。この結果1LDKで2人世帯をターゲットにした商品のマンションが供給、或いは1LDKを2人世帯に向けて訴求する広告も目にする日が近いかもしれない。

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この記事を書いた人

マーケッター

大山恭平

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