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ユニフィットの社員が、担当プロジェクトの広告実績を紹介したり、日々感じていることなどを書き綴っています。またマーケッターが市場の動向を切り裂くフリーペーパー『MAiL』や世の中の(生活者の)トレンドやニーズ、価値観を把握し、広告制作へ反映するために行っている定量調査の分析も公開しています。

2023-07-25 MAiL 不動産

不動産・フィットネスの市場調査こんな時どうする?【調査編】

不動産やフィットネスクラブのマーケティングを考える際の市場調査として、度々アンケート調査を実施することがある。これは当然、国勢調査や先行事例などを調べるだけでは調査できる範囲に限界があるため、アンケート調査を実施し、調査項目を補うことがある。今回はそんなアンケート調査をどのように実施するのか、実際の事例を元に紹介していく。

アンケートってどんなときに実施する?

そもそもアンケートはどんなときに実施するのだろうか。当然、通常の調査では調べきれないことをアンケートで補うことが多いが、その目的は不動産とフィットネスクラブで分かれる。まず不動産の場合、需要調査をするパターンが目立つ。これは名前の通りそのエリアの需要を調査する際に実施する。通常、不動産の場合そのエリアについての需要は先行物件に倣うことが多い。しかし、エリアによっては長年無風状態が続き、昨今の不動産市況が不透明であるエリアも一定数存在する。こういったプロジェクトは上手くいけば需要蓄積のあるエリアにエントリーができ、逆に下手すると全く需要のないエリアにエントリーしてしまうことになりかねない。そのため、アンケート調査を実施し、需要がしっかりあるのか調査をするのだ。一方、フィットネスクラブは商圏を調査するパターンが多い。フィットネスクラブの場合、オープンしてから継続的に会員を獲得し続けなくてはいけないため、店舗からどこまでの範囲が商圏なのか議論になりやすい。それをしっかりと可視化するためにアンケート調査を実施し、商圏範囲を決めて広告展開エリアを判断していくことが多い。

アンケート調査はいかにして行われる?

では実際にアンケート調査を実施するとなった際にはどのようにしてその調査は行われるのだろうか。結論、これはwebアンケートという形で、回答してもらえる会員を多く抱えたアンケート会社にお願いする場合がほとんどだ。サンプル数やエリア、設問やその回答項目を自身で決めてアンケート会社に入稿すればそれを会員の集まる自社オウンドメディアなどで発信し、アンケートを回答、集計されたものが数日後に返ってくる、といった流れだ。当然、既述したような需要や商圏を調査する場合はエリアを絞ってアンケートをとるが、この場合は当然絞り込み過ぎると対象者がいなくなってしまうため、そのあたりはアンケート会社とやり取りをして、丁度良い塩梅を決めていく。

アンケート調査事例(需要調査編)

では実際にアンケートを実施することになった事例を経緯から結果まで見ていきたい。まずは不動産の事例として需要調査を行ったアンケート調査だ。
【CASE①】

【CASE①】は東京都東久留米市の戸建てプロジェクトで実施したアンケートだ。当プロジェクトは東久留米市の再開発エリアの中に誕生する戸建て開発であったため、多くの反響を呼んだ。しかし調査当初は当プロジェクトにおいて集客がしっかりできるのか不安視する声もあった。なぜなら当プロジェクトは駅から離れたエリアに誕生し、実際に近傍の戸建てプロジェクトの集客は芳しくなかったためだ。しかし、実際に近傍プロジェクトと違って当該地は再開発エリアの中に誕生するため需要もしっかりあるのでないかと推測し、その仮説を検証するために【CASE①】のようなアンケートを実施した。結果として、①が44.3%、②が40.3%、③が15.4%と当該エリアに該当する②は駅前エリアの①と大きな乖離はなく需要があることがアンケートから導き出すことができた。この結果から当該地は再開発の中であることを全面的に謳った広告展開をして、集客を図ることになった。

アンケート調査事例(商圏調査編)

2つ目にフィットネスクラブの事例として商圏調査を行ったアンケート調査だ。
【CASE②】

フィットネスクラブの新店オープン販促において、概ねどこの店舗もアンケート調査を実施する場合が多いが、【CASE②】のプロジェクトは平塚というエリア特性上、かなりアンケートが重要であった。というのも平塚というエリアは東西が川、南側が海に囲まれている陸の孤島。そんなエリアで会員を募集した際にしっかりと川を越えて利用してくれるのかが広告を展開する上でも重要なポイントだったためだ。そのため、判断材料の1つとして【CASE②】のように駅の利用頻度に関するアンケートを実施した。こちらは全体の割合よりも利用頻度の多い層がどのエリアまで伸びるかが重要であったため回答者の居住地(町丁目単位)と照らし合わせて、そのエリアを検証した。

結果として当然北側には広範囲まで伸びる一方で東側の茅ヶ崎市に入ると利用頻度は激減。ただ、1つ特徴として西側は川を越えても駅やその周辺施設を利用する頻度が多い層が目立った。これは西側の隣接駅を利用するよりも川を越えて、「平塚」駅を利用する方がアクセスしやすいためであったことが要因だ。そのためターゲットエリアは北側と西側にボリュームを持たせるのが適切であることが導き出せた。当然、これ以外にも車の利用頻度や当フィットネスクラブのへの興味度から最終的なターゲットエリアは判断したため、この1問で最終判断とまでは至らなかったが、エリアを決める際の材料の1つとして役立ったアンケート結果の1つだ。

調査前の仮説を忘れずに

以上のように、市場調査の一部としてアンケートを実施することが度々ある中で注意しなくてもある。それはとりあえずアンケートを実施してみよう、という何も狙いのないままアンケートを実施することだ。アンケートには当然費用も発生するため、ある程度結果を仮説立てた上でとらないと、思った結果と違い何度もとり直すことになってしまう。需要は地元にしっかりあるだろう、或いはここまで商圏は伸びるだろう、という仮説を立てた上でその仮説を立証するためにアンケートを実施する。このような順序でアンケートを実施することを心掛けなくてはいけない。

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マーケッター

大山恭平

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